「あっ…、歌恋、

あんた、夏休み暇だよね?」

夏休みの初日、朝ごはんを食べている時だった。

「何で、あたしを暇人だと決めつけんのぉ?

何気に失礼だし!」
味噌汁を食べながら、軽くママを上目で睨む。

あたし、木村 歌恋(キムラ カレン)

恋に青春を夢見る、今時の花の女子高生。

あっ、まだ誕生日来てないから、15歳ね。

「だって、あんた、この家で1番暇でしょ?受験も終わったし。」

「はあ?

あたしは、忙しいんだからね!宿題有るし、友達との付き合い有るし?」

そんな、あたしの言葉に、さらにママの応酬は続く。

「何言ってんの!

それを、世間では暇人と言うのよ?

とにかく、あんたに頼みたい事有るのよ。」

「何よ。頼みって」