「ふふ...どうしてそんなに怯えていらっしゃるのかしら」
ロメリアさんの瞳から目が離せない。
どうしようどうしようどうしよう...っ。
大声を出す?でも、相手は美人といえど
本物の吸血鬼。
身体能力で勝てる気がしない。
今のロメリアさんは、絶対におかしい。
纏う空気が全然違う。
「怯えてなんて...ないですよ?」
「ふふ、それならこちらへいらしてくださいな」
少しずつ、ロメリアさんが近付く。
アスター、アスター...っ
助けに来て、
あたしには魔法なんて使えないけど、
それでも...アスターが助けに来てくれるって、信じてる。
「この香りは、魔物を引き寄せるのですよ」
「魔物...?」
「あなたはあの方に守られているからご存知ないかと思いますが」


