生ぬるい血と、冷たい雨。
もう忘れたと、思ってたのにな。
いつでも綺麗に咲いてるバラは、憂鬱な気持ちを晴らしてくれる。
「……マミ様」
「…ロメリアさん?
帰ったんじゃ…」
「マミ様に、お渡ししたいものがありまして。
引き返して来たのです」
「渡したいもの…?」
「はい、これを」
そう言って渡されたのは赤紫のガラス瓶。
中になんか入ってる…。
香水、かな?
「これは…?」
「我が一族に伝わる、秘伝の香水ですわ。
ヒトであるマミ様にはわからないかと思いますが…私たちにとってとても甘美な香りがするのです」
「へー…あ、ありがとうございます」
でも、そんなものもらっていいのかな?


