「?!ぁ、なに…っ」



ゴクゴクと聞こえる音。

さっきのとじゃ、全然違う。

――血を、吸われてる。



「…っ、本当に大丈夫なんだな」

「、ぇ…?」



あ、さすがにふらつく…。

また、見上げれば

さっきはなかったはずの鋭い牙があった。

―ゾク…ッ

背中に走る悪寒。

やばいやばいやば、い…ッ。

少しずつ後退りする。

捕まったら…食われる。

初めては好きな人って決めてんだ。

あたしの唯一の乙女要素を消すな。

あたしに向かって伸ばされる手。



「ひ…っ!」



そこであたしの意識は途切れた。