甘い香り




「ロメリア、どこにいる?」



愛しいあの人の声

私のほうがあんな小娘より

あの人のことを知っているのよ。



「ここにいますわ、アスター様」

「…探していた」



あぁ、あぁ…心が震える。

闇の中でも際立つあなた。

あなた以上の人を、私は知りませんわ。



「どうかなさったのですか…?」



自然に頬が緩む。

アスター様が私を探してくれた。

あんな小娘ではなく、私を。



「マミに手を出してみろ。
 お前を消す。覚えてろ」



笑顔が凍る。

アスター様は今…何と仰った?