「ぐっ…———体が?!動かない!」
「ハイハーイ、玖珂君もキチンと協力する」
私は"影"を使いながら、玖珂君を元の席に座らせる。こういう時にこの能力は便利だから良いねー。生憎彼はトラウマになったかもしれないけどね。
「な、何でだよ?!」
「第一、玖珂君は《小泉 雛》先輩を振った理由が《背後霊の加藤さん》でもあるから、この件を解決する義務がある」
「は、はあ?!」
…残念なことに正論だから言い返しが出来ない正影。この世に正論ほど強い物はないのだ。
「第二、玖珂君が格好良過ぎて加藤さん不憫だから」
「オイ、最後恨みが込められてねぇか?!」
「気のせいじゃないの?ねぇー加藤さん♪」
「ねぇ〜高村さん♪」
悪者特有の笑みでこちらを見下ろすあの女、いつか必ず滅してやると心の奥底で誓った日なのであった。
*
《加藤 克》カトウ スグル
歳は25歳 生前は駅前の書店店員。
死亡原因:交通事故。
前科無し
「…なんつー面白みの無い人生」
「最低だよ玖珂っち!俺だって普通の生活を全うに生きてただけだし!」
「…にしても、生きている間でさえ彼女が居なかっただなんて悲しいな」
「哀愁を帯びた目で加藤さんを見ないであげてよ玖珂君!」
菊花は痛む腕を摩りながら、加藤から聞き出したものを整理して考えた。

