「目的?んー言っちゃっていいのかな?」


女は飄々した態度で言う。——早く滅してしまいたい、だがその口から謝罪の言葉を聞かなくては気が済まない。



「百鬼夜行で徘徊する道の先々で妖怪達を見境無く滅するなど、その傍若無人に俺は貴様を滅する義務があるのだ。玖珂家が代々守り続けたこの地に貴様のような奴が繰り出す悪行三昧。この俺が成敗してくれよう!!」


正影のもう一つの刀、名を《不死鳥》が炎のような熱を帯びる。その瞳には怒り、正義、守るべき存在の深さが感じられた。

必死で家族を守ろうとする姿に怯みそうになるが、こっちにだってプライドがある。そう心の中で呟く菊花。



正影の背後で鏡子と白は「この人にいつまでも着いて行く」そう改めて思った。正影から溢れる"光"の力。それは《百鬼夜行の頭》と同等かもしれないし、そう感じられた。



「言え!黙秘権など無い!」

菊花は溜め息をつきながら、——指を鳴らした。




——パチンッ







「お前、何っ——…」



正影が咄嗟に言おうと瞬間、遮るように——





「きゃあぁぁぁ!!若ァァァ!!!」




鏡子の悲鳴が響いた。



「な、何だよコレ?!鏡子、鏡子ォォ!!」



白も叫び、必死に鏡子に手を伸ばそうとするのだが体が動かない。