私の刀から血が滴り落ちている…。栄子の制服が真っ赤に染まっていて、瞳も白目を剥いているのだった。
「——い、嫌っ…。何よ、コレ…」
そしたら、侮蔑の声を含んだ蔑む声が聞こえた。ガクガクと震える足で背後を見てみれば…
『やっぱお前って人殺しだったんだな』
「お、さかべ…くん……?」
『どうせ俺達のことも殺すんだろ高村?なぁ?今までのことも嘘なんだよな?』
「ち、ちがっ…」
そんな目で私を見ないで、そんな声で話さないで、
気持ち悪い、嘔吐しそうだ。むかむかする…
チカチカと視界の奥では、今までの記憶が無理矢理呼び起こされそうだ。抉り出されそうな気分。
(これは幻術、これは幻術、これは幻術——…)
唇を強く噛んだ瞬間、私は懐に入れていた腕時計を無造作に、力強く投げたのだった。
——一か八かの賭けをしよう。
私の狙いは玖珂正影、アンタじゃない!

