魑魅魍魎の菊




**




「何の用かな?」

青い蝶の仮面をした青年は目の前の客人に茶を出した。

仮面の下は神妙な面持ちをしていていた。――前の名を瑠璃丸、現在は大槻神社の神である大槻は嫌な予感しかしなかった。



客人とは……人間である萩原龍星と井上穂積のことである。




(空は青いのに、)




大槻は思い出す。今日は玖珂麗子の命日であることを。

だから、この場に正影が居ないということなのか。




「用を言う前にテメェに問うことがある」

「この金髪!大槻様になんて口を訊く!!」

「落ち着け蓬莱。……なんだい、私だって暇ではないんだよ」



擬人化した蓬莱は未だ前回の事件を引きずっているせいか、様々なことに過敏になっている。

それも致し方ない話だ。



「大槻さん。――率直に問います。あなたは玖珂君と菊花先輩、












……どちらの陣営につきますか」



頭の良い子はこれだから好きになれない。
こんな意地悪な質問をするからね。



「君達はずるい質問をするね。その背景すら私は聞けないのか?」


「僕達はこの"下らない戦い"を終わらせたいだけです」


穂積の瞳は刃のように真っ直ぐであった。これは祈りにも似たものであった。