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「何の用かな?」
青い蝶の仮面をした青年は目の前の客人に茶を出した。
仮面の下は神妙な面持ちをしていていた。――前の名を瑠璃丸、現在は大槻神社の神である大槻は嫌な予感しかしなかった。
客人とは……人間である萩原龍星と井上穂積のことである。
(空は青いのに、)
大槻は思い出す。今日は玖珂麗子の命日であることを。
だから、この場に正影が居ないということなのか。
「用を言う前にテメェに問うことがある」
「この金髪!大槻様になんて口を訊く!!」
「落ち着け蓬莱。……なんだい、私だって暇ではないんだよ」
擬人化した蓬莱は未だ前回の事件を引きずっているせいか、様々なことに過敏になっている。
それも致し方ない話だ。
「大槻さん。――率直に問います。あなたは玖珂君と菊花先輩、
……どちらの陣営につきますか」
頭の良い子はこれだから好きになれない。
こんな意地悪な質問をするからね。
「君達はずるい質問をするね。その背景すら私は聞けないのか?」
「僕達はこの"下らない戦い"を終わらせたいだけです」
穂積の瞳は刃のように真っ直ぐであった。これは祈りにも似たものであった。

