魑魅魍魎の菊




生まれたての赤子は存在を示すを為に泣いた。

優しい両親の腕に抱かれ、世界中の愛をその円な瞳に映し込んだ。


キスをして、その愛くるしいピンクの頬に。愛を込めて、全ての愛が"彼女"を包み込むように。


暗闇にも負けないような眩い光がいつか彼女を救い出すだろう。何時知れぬ時の中で、温かな温もりを彼女に。



やがて"女"になる彼女に——







(誰か、輝かしい"光"を与えたまえ)








——少女は墓石の前に立ち尽くし、黄色の菊の花を供えるのだ。

黒いセミロングの髪を揺らし、首と背中、腕に大きな傷をつけ……その傷が栄えるような白いワンピースを着ていた。


墓参りにはそぐわないような白いワンピースは風に揺れ、少女は目の前に浮遊する幽霊を見つめていた、涙を流しそうになっていた。







「——えっとぉ…春菜さんと玖珂君を足して2で割った感じですね」

「あらぁ?そりゃ親子ですからねぇ。ほら私って美人じゃない?この目の鋭さは見事に正影に遺伝したわね」



(なんなんこのお母さん?!)


思わず口から飛び出そうになったのを抑え、目の前の女王様(?)の幽霊に口元をひくつかせた。



あの男の性格はこの女性から遺伝したと言っても過言ではないだろう。いや、絶対にそうだ。



「………で、貴方だぁれ?」


「そっからぁぁあああ???!!!」