その長い髪から解き放たれた鏡子と白は乱暴に地面に叩き付けられた。




そして、驚きの言葉を発したのだ。













「 つまんない 」

黄色い爬虫類の瞳は細められ、至極機嫌が悪そうなのは伺える。そして、どういうわけか西洋の妖怪を助けずに……こちらも地面で力が抜けている様子だ。


「——今、なんつった…」

「だから。つまらないって言ったの。面白くないの」



月の光が俺達を照らして、誰の感情を激情させるのか。炎を帯びた刀は俺の意志を感じ取ったのか、余計に燃え盛る。



「——このクソアマ、毎度毎度——











命をなんだと思ってやがるんだぁぁああああ!!!!!」



千影も牙を剥いて、菊花に襲いかかりまた左肩に噛み付いて喰いちぎろうとしている。正影も炎を帯びた刀で容赦無く——醜い妖怪を刺したのだ。

真っ赤な血が吹き出し、美しい妖怪と人間を汚そうとも——相変わらず空は綺麗なままなのだ。



「うがぁあ"あ"あ"ああああああ!!!!!」


禍々しい叫び声を上げる菊花をそのまま地面に叩き付け、蛇の尾っぽの部分も一差しをするのだが——




「血の陣・氷柱!!!」


またもや——菊花の血が鋭い刃物に成り代わり、千影の喉元を掻き斬る!地面を驚異的な速度で這いずり回り、龍星と穂積のもとへと襲いかかる!!


「きゃははははははあああ!!!!」



その姿は——禍々しい、ただの醜い妖怪だった。