菊花"だった"。

いやそれには語弊を招くだろう。「魑魅魍魎の主」は畏れを掲げ、歪んだ笑みをまたもや浮かべた。


彼女の後ろに立っていた、吸血鬼ライアンと人造人間(ホムンクルス)リチャードは武器を携えて攻撃をいつ仕掛けるか虎視眈々と狙っているのだ。



(——思い描いた未来を信じる?そんなことをしたって何もならない)



菊花は脳裏に浮かんだ言葉を否定をし、血で汚れた鋭く長い爪を見つめた。まるで真っ赤なマニュキアをしたみたい。

そこで私のすぐ横で鴉丸に取り押さえられている大槻様——いや、瑠璃丸は滅されるのを覚悟をしながらも私が忌々しいのか睨みつける。



「大人げないわ。——たった一人の"小娘"相手に由緒正しき陰陽一家が大勢力を向けるなんて、いや滑稽」

「舐めるなよ小娘——。儂が今直ぐ貴様のような化け物を滅してくれる」


黄金の狐も醜いものを見るような目で私を見つめる。実際に今の姿はこの世で一番醜い姿をしているのは自負しているわ。


「天狐の力を流されたのに、私は生きていたわ?奢り高ぶるな——貴様などもう恐くないわ」





菊花が不敵な笑みを零し、手をまたもや掲げ上げ






「——影の陣・百花繚乱」



菊花がそう唱えると、彼女の背後から悪霊のような「闇」や「邪」を孕んだ黒い何かが出現し、玖珂の物に襲いかかったのだ!!!!



(——私は欲深い、意地汚く、本能に赴くままに生きるだけ)



その影は下級妖怪を容易に捕らえるが、千影のような高等妖怪はひらりと交わし——攻撃をしかけてくるのだ。



そして、その一人——鏡の付喪神である鏡子が白い善狐の白に乗って菊花に向かって鏡を翳す——