僕は——非力なりに、抗うしかない。
「——うげぇっ、聖水じゃ〜ん」
頭からウンディーヌの聖水を被ったのに、飄々としている吸血鬼が居た。
ていうか、王子様フェイスの男が水を被っても良い男って狡いような気がするという頭の片隅の僻みをスルーをする。
『…どうするの、ホズミ。コイツは危ない』
「……食い止めるんだ。
——ウンディーヌ、サラマンダー!!!」
僕が二人の名前を呼び、吸血鬼に向かって両手を翳すのだ。そして、目の前に火と水を呼び起こすん!
「相反するものよ!——今、融合し我が敵をなぎ倒さん!!」
「「御意!!——我が主の御意志に!!」」
しっかりと吸血鬼に狙いを定める、
(へぇ〜ノームが足に…)
吸血鬼は軽く舌打ちをした。そう——彼の足下にはノームの力により、足を固定をされていた。
その瞬間!炎と水の塊が吸血鬼に突撃をする!
「…ぐぁあああ——!!」
倒れて行く吸血鬼に呆気なさを覚えた穂積。——これはまだ、倒されてはいない。
——何が目的かもわからない。
距離を少し取り、目を細めようとした瞬間!!

