「消えゆくのは、貴様だ——












——瑠璃丸」







その瞬間、影のように、潜むように瑠璃丸の背後に誰かが立っており。その瑠璃丸の背中に何か鋭利なものが突き刺さっていた。


(……ま、まさか…)


大槻はサッと顔を上げ、その人物を見てみれば…。








「……よ、義影…殿」

「やぁ、久しぶりだな大槻殿」



義影は「ふぅ…間にあった」と息を吐き、瑠璃丸の背中を刺した刀を抜き。足蹴りにした。



「義影殿!瑠璃丸を足蹴りにしないで下さい!!!」


ほぼ泣き叫びながら、大槻は瑠璃丸に駆け寄ろうとするが。


「……な…に、者…!」

「おや…儂は心臓を一刺ししたつもりだが、」



瑠璃丸は血を吐き出しながら、近くに落ちていた日本刀を握ったのだ。



「ほぉ、儂が陰陽師と知った行為か」








そこには瑠璃丸は居なかった。







いや、瑠璃丸なのだが。"瑠璃丸"事態が異質だったのだ。