「あっ!!春ちゃんだ!」
「うわぁ!やっぱり由衣ちゃんも来ていたんだね〜♪」
絶世の美女である玖珂春菜さんは藍色の浴衣に朝顔が咲いていて綺麗です…。薄く化粧がされていて、やはりその美貌が引き立っていて。
その光に揉まれた私だったよ。
(——それより、)
「……ほぉ、奇遇だな小娘」
「あ、あははっ…。私達何処かでお会いしましたかなー?」
「春ちゃん!そこの美男子は?!異国の王子様みたいだね!」
ゆ、由衣ちゃんナイスだよ!あまりにも"王子"が恐くて泣きそうだったよ菊花さん!
そしてそして——…どうしてこんな所に「天狐」がいらっしゃるんですか——!!
しかも擬人化したら美形って物凄く面白く無いし!
「こちらは千影。彼氏って紹介したいけど、私とじゃ釣り合わないよー」
(ぬわぁぁあああに言ってるのあの人??!!釣り合ってるから、物凄くキラキラオーラが発せられてるし!)
寧ろマイナスイオンのノリだし!
「何を言っているお春…。儂はお春と添い遂げるぞ」
腰に腕を回すな!
そしてナチュラルにプロポーズを吐くな狐!
何も知らない由衣ちゃんは、顔を赤らめて「しょ、少女漫画——!」と叫んで悶えていたよ。
あ、あれ…これは公開処刑かな?
周りにこんなに美形ばかり散りばめて、己の穢れが浮き彫りにされちゃうでしょう?!
やっちぃー…何でか景色がぼやけているよ。
うわぁ、ぼやけてもキラキラオーラが感じ取れちゃうんですけどー…
(あぁー神様の馬鹿野郎ぉぉぉおお!!お前もきっと美人なんだろう?!)

