「キャァアアア——!!菊花姉様、そのコスチュームって何ですか!!陰陽師と対峙する孤高の妖怪ですか?!」


あ、あながち間違っちゃいけないけど…



「ゆ、由衣ちゃん…。まぁ、そんなもんよ」


頭に狐の面をつけている菊花はあろうことか「魑魅魍魎」の姿で縁日を歩いていた。しかもナチュラルに。

人々もただのレイヤーと思っているから凄いもんだ。



(にしても、由衣ちゃん可愛いなー…)

そしてそんなキラキラとした目で私を見つめないでー。何だかお姉さん、百合の道に目覚めちゃいそうだから。


由衣ちゃんは可愛い桃色の浴衣を着衣していて、かき氷を頬張っている姿がグッジョブ!!



「菊花姉様…今日も麗しいです!そして、由衣は感動しました!」

「一回眼科行ってみようか…」

「そしてその狐のお面も素晴らしいです!黒い着物にマッチング!!あぁ〜陰陽師が現れないかな〜」



「あ、あの…話噛み合ってないよね…?」




この娘、本当に陰陽師オタクなのね。苦笑をすれば、遠くから「菊花ちゃ〜〜ん!!」と何処かで私を呼ぶ声が…。



後ろを振り返れば、







——絶世の美男美女が居ました。





(あ、あれれれ??)




「は、春菜さん?」



その横の金髪碧眼の青年をスルーしたいんですけど。