「若、スザク様と何をお話に?」



こちらも配置ポイントに到着すると鏡子に問われた。白は白で俺を軽く睨みながら擬人化をした。

白髪にキャスケット帽を被った、オシャレな少年の姿がそこに居た。歳は鏡子と一緒ぐらいの12歳。



「別の仕事を頼んだんだよ。アイツは隠密に動くのが上手い」



不意に空を見上げれば、段々と闇が濃くなって来ているのがわかる。

丑三つ時——もうすぐ2時だ。刻々と時は迫るのだ。



と、その時。白が俺の着物を引っ張りながら顔を寄せてきた。

「何だ白。俺に惚れたか」

「おぞましいことを言わないで下さい。鳥肌が立ちました」

「狐でも出るのか」

「そんな事より——







鏡子をちゃんと護って下さい」


少しだけ、俺の瞳が見開かれた。