魑魅魍魎の菊




正影は懐から《鳳》を取り出し、しっかりと前を見据えて力を発動させる。


スザクも正影の意を察したのか、横笛で柔らかい音を奏でながら大蛇に近づくのだ。





「鳳・反実世界!!!!」


炎を纏う「鳳」は暴れるように燃え、スザクの瞳は大きく見開かれながら術を発動させる。



「——四精霊、水のウンディーネ!」

穂積も戦う意志を見せ、反対の水の精霊を出して蛇を取り巻く水柱と火柱。



「…玖珂君、こっちで力を駆使して"雷"を起こすよ。良い?」

「——やるなら確実に仕留めろ」

「あぁ、任せてよ」


そして、穂積は火の精霊サラマンダーも出現させて蒸気を造り出し、雷を起こす準備をするのだ。



「…萩原、テメェ。霊力のコントール出来るか」

「——…まだ、少しだけどな」

「なら良い。俺と一緒に戦陣を切れよ」

「バカヤロー、俺に指図すんな」



ニヤリと互いに笑いながら、駆け出す!大蛇の周りには精霊が作りだす蒸気でこちらが見えていない。

そして、風のシルフが気流もろとも巻き起こして大蛇を捕らえていてくれるのだ。



仕留めるぞ、互いに。




皆の耳にはスザクの笛の音が響き渡るのだ。







「「行くぞ!!!」」


正影と龍星が一気に駆け出し、地の精霊・ノームが造り出した跳び台で大きく跳躍する。


一気に瞬く炎と、龍星の拳に込められる霊力の塊。蟒蛇のうめき声、血で濡れている口元が憎悪をかき立てるのだ。





「——"影の陣・百花繚乱"!!!」


その瞬間——…先ほど大蛇に襲われて、血まみれになっているはずの「綾崎」が居たのだ。




少女の右手が大蛇に翳されて、一気に動きが止まり。これはチャンスとばかりに正影、龍星が一気に攻撃をかける!




「「いけぇぇー!!井上!!!」」




「"雷(いかづち)の制裁"!!」



——ゴロゴロゴロドッカーン!!!