(——よくやった"美鈴")

そんな声が美鈴の頭に響いた。——突如、異様な"殺気"と"狂気"に襲われる面々。







「そんなに殺したかったら、










——私を殺しなさいよ」





そこには先ほど屋上に逃げたはずの"綾崎"が腰に手を当てて、君臨していたのだ。


ゆらゆらと揺れる巻かれた茶髪の髪の毛、スレンダーな体がとても妖艶。




「あ、アンタ逃げたんじゃないのか?!」

「うるさいわね、玖珂君。で、どうなのよ!!」



"綾崎"が叫べば、厭らしい笑みを浮かべる蛇はその尾っぽを素早く動かして、邪魔な男達を薙ぎ払う。


そして、"綾崎"に牙を立てる!!!




——ブシャァアアアアア!!!!




溢れんばかりの血が飛び散る、ゴリっ…ガリッっ…と生々しい骨を砕く音すら聞こえて来る。




何だこれ何だこれ何だこれ何だこれ——…



正影は頬に飛び散った血に気付かず、瞳孔を開かせる。動けない——…何も関係のない一般市民を巻き込んでしまった——…



「正影!気をしっかりと持て!!」

「スザク——……」



俺の胸倉を掴むスザクは酷く険しい顔をする。井上はあまりにも生々しい光景に顔を真っ青にさせ、吐き気を我慢しているのだ。