「はぁ?調子になんか乗ってねぇけど」

「あたし達は先輩なのよ!敬語を使いなさい!」


——気の強そうな、そうだ友人Aにしよう。友人Aは目くじらを立てて、あくまで俺の上に立とうとしているな。


もう一人は既に泣いている「カナ」という人を慰めて、俺をキッと睨んでいる。



「第一、センパイの字。糞みてぇな汚ェ字してんだよ。文脈もおかしい、誤字脱字が多数」

「……えっ?!」



所謂女の子文字なのかギャル文字というのか、汚く読めない字でラブレターを書くな。頭に虫でも湧いていやがるのか?


別に字の上手い下手の話ではない。いかに丁寧に書かれているかが重要なんだ。俺ァ、長年書道をやっているからそいつの字を見れば対外、どんな性格をしているか解る。



「…そ、そんなっ!」

「"め"よ"や"がアスタリスクみたいになっていて馬鹿だろ?よっぽど幼稚園児の方が上手だ」

「あんた、一体何様なのよ?!幼気な女の子を泣かせて!」

「はぁ?そういうアンタこそ何様なわけ?俺は本当のことを言っているだけだ」

正影は髪を掻き上げながら、相当面倒くさそうな目をする。


「俺は手紙ぐらいきちんと書けない、自分の言いたい事をちゃんと自己主張を出来ない人間と話す義理はねぇ」




(ちょちょちょちょちょっと…。険悪ムードだよ?!)

(菊花先輩、落ち着いて!)

(……うわぁ、険悪ムード)

(くく、玖珂っちも煽るなよ——!)




グッと押し黙る「カナ」は、図星なのか何も言えないようだ。




「——それにさ、アンタ等"お友達"は俺に用なくネェ?」



そして、正影は友人Aに向かって——



「胸パット3つも入れて、見栄っ張りなアンタより俺は出来た人間だ」




((爆弾落としやがった——!!!!!))


菊花は思わず目眩で倒れそうになり、龍星はそれを受け止める状態に。