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「ねぇー菊花ちゃん。これはモテない俺達に対しての挑戦だよ」
「加藤さん…。私まで数に入れるんですか?…そうですか」
いいわよ!きっと、もうすぐでモテ期来るはずだもん!
じ、人生に三回来ると言うが…一回も来ていない場合はどうするんですか?
(あれっ…。何でだろう、視界がぼやけている)
現在放課後で何故か玖珂君の告白現場とやらに同行させられているんですけど…。
真っ直ぐお家に帰ろうと思ったのに。
校舎裏で玖珂君は…二年女子と対峙してたよ。しかもその女の子の後ろには、友達なのか気の強そうな女の子二人居る。
「……ていうか、どうして俺等も」
そう悪態をついたのは、萩原君。苦笑している穂積君は今日も可愛いよ!
私達が居るのは裏庭の茂みの影だ。主役(?)たちからは死角になっていて見えないそうだ。
「別に加藤さん…幽霊なんだから、至近距離で見てこれば良いじゃん」
「えぇ〜良いじゃん。俺、菊花ちゃん達とここで喋っていたいもん」
「"もん"って…。テメェが言っても可愛いかねぇぞ」
確かにそうだが、美鈴が言ったら可愛いかもね。…まぁ、あの子は礼儀正しいからそんなことは言わないと思わないけど。
「…でも…。良いのかな、人の告白現場見ても…」
「…穂積君よ、罪悪感が募る気持ちはわかる。私も物凄く帰りたい」
「だったら帰れば良いだろ?俺も帰りてぇー…フケるか」
「ちょっと!玖珂君に黙って帰ったりしたら、私腹いせに滅されるし!」
いやいや…こんな事を言ってもだ。実際に滅されなかったから、平気なのであろうか?
でも、玖珂君の暴力行為は恐いよ。目を三角にしてウチに乗り込んできそうだ。
(くわばらくわばら…)

