玖珂君には「勝守」という必勝のお守りと陰陽師の仕事の時に合いそうな簪をお土産に。


その中に春菜さんや玖珂さんへのお菓子や油取り紙も献上し、沢山のお菓子を物の怪達にとお手紙も添えたよ。



萩原君は「方除札」という名の邪気を払うお札と「交通守」の安全運転のお守り、お菓子を献上したね。

バイクに乗っているらしいので、取りあえず安全運転だよ。美鈴には似合いそうな髪飾を沢山買って来た。うん、さすが私センスが良いよ。



穂積君には「御守」。ご利益は身体健全、魔除け、厄除けなどなどと…邪気を払う的なお守りとお菓子を献上。



「へぇ〜!ありがとうね菊花!」

「京都の油取り紙って良いのよね〜」


栄子と利枝には油取り紙、他の友達には適当にお菓子を配っておいた。お陰で菊花さんのお財布の中は悲惨なことになっていますよ。


……向こうの物の怪さんから口寄せされたから向こうでのお金は心配なかったけどさ。お土産実費だから痛い、物凄く痛い…。



——あぁ、夏休みはどこぞの遺跡かなんか行って財宝を分捕って売りさばこうかしら。

菊花の腹黒い思考をスルーしたところで、現在は体育の時間。しかも…苦手なテニスだという。




——ダラダラダラダラ…



「おーい、菊花チャ〜ン?大丈夫〜?」

栄子は菊花の顔の前で手をひらひらさせる。

「尋常じゃない汗よ菊花」

利枝はラケットを使ってボールをバウンドさせているのだ。

「……き、菊花さんは…球技の中でテニスが物凄く苦手なのですよ…」



良いよね利枝は…。中学時代はテニス部だったらしいじゃない!

ウチの中学校では見事にテニスコートすら無かったのよ!私は球技関係は皆無だから!


菊花は恨めしそうに利枝を見詰めながら、体育教師の号令がかかる。