「え、えぇ…。行って来たわよ?そうだ!由衣ちゃんにも晴明神社のお守りあげる!」

「え、えぇぇぇええええ?!」



そ、そんな嫌だったのかね…。大きな瞳が可愛らしいよ。


その時、よりぎゅっと手を握られて頬を途端に赤らめた由衣ちゃん。



「あああ、あの晴明神社ですか?!」

「どの晴明神社か知らないけど…。はい、《みずかがみ守》」



私は紙袋から一つのペンダントを取り出したのだ。ご利益は運気向上、自分で使おうと思ったけど…こんな可愛らしいお嬢さんが使ってくれるならそれで良いさ。



「う、うわぁあ…!明鏡止水の境地だわ!」



本当に嬉しそうな顔をしながら、ペンダントを握る由衣ちゃん。癒されますよやっち…。

いやー、何か良い事ありそうだ私。




「あ、あの!これから"お姉様"って呼んでいいですか?!」


「「えっ?」」



ふと、玖珂君と声が合わさったので顔を見合わせれば…。玖珂君、なんて驚愕をした顔をするんだい。

美少女幼なじみが取られて悔しいのか?ハッハッハ……残念ながら、この菊花様は全知全能なのだ!



「別に…好きな呼び方で良いよ?そこの強面なアホ二人は敬語ですらないから」



「「——オイッ」」



背後に居る玖珂君と萩原君を指差せれば、見事なツッコミ。再び由衣ちゃんを見れば、嬉しそうに笑いながら私に飛びついて来た!!!



「キャアァアアア——!!一生お姉様に着いて行きます〜♪」

「えぇええええ?!」



(オイ…玖珂、松野…高村とメアド交換してんぞ?)

(ア、アハハッ…。なんか大変そうだ)



(——頭、痛ェ…)