「さ、サラマンダー…。もう止めて?高村先輩が僕のブレスレットを取り返してくれたり、助けてくれたのは…紛れも無い真実。失礼なこと…言わないで!」
「っ!?…だ、だが……この女は…」
焦った様子のサラマンダーは咄嗟に口を挟むが。
「僕の恩人達を悪く言わないでよ!!!」
躊躇無く僕に手を差し伸べてくれた先輩、その笑顔を見た瞬間。少しだけ心が解き放たれたような気がしたんだ。
玖珂君や萩原君だってそうだ……あぁいうのに興味無いかと思ったら、二人共格好良く僕を助けてくれた。
……屈折の無い笑顔が眩しくて、僕は手を伸ばしたんだ。確証もないくせに——。
…だけど、手を握ってくれたんだ。引き上げてくれたんだ。
だから…
「……悪く、言わないで…」
「あぁー!!もう、泣かないの〜」
気がついたら僕は泣き出してしまい、フワリと高村先輩に抱きしめられて…。今までずっと、ずっと…我慢していた涙を塞き止めるものが無くなったので取り留めも無く溢れ出して来た。
干したてのシーツみたいに温かい太陽の香りがする高村先輩は優しく髪を撫でてくれて、「よく頑張ったね、大丈夫だよ」と言い続けてくれたのだ。
「……うっ……ヒックッ…」
「もう〜!一々可愛いなオイ!」
先輩はとても抱き心地が良くて、何だか久しぶりに安心出来たんだ。

