(チッ…。胸糞悪ィ…)
正影は舌打ちをしながら、FHの卑劣なドッヂボールに悪態をつく。
「…ったく、こういう時ばかりだけに"菊花"の能力が欲しいな…」
「何で名前の呼び捨てが定着化してるか謎だけど。お望みとあらば、そこの二人を拘束プレイしても良いけど」
音速の如く後ろを振り返れば、飄々とした態度の高村菊花が居たのだ。二人の男と一人の幽霊は後ずさりと息を飲みながら顔を青くした。
「ななな、何でここに居やがるんだおめー!!」
「しかも拘束プレイとか屈辱的だろう?!」
「色々ツッコミ所満載で俺だけじゃ手が回らないー!!」
ていうか、加藤さん実体無いじゃん。
私は右手に水晶の数珠という名のブレスレットをはめて、事の状況を伺ったのだ。——あのBefore加藤さんみたいな少年の体はボロボロになっており、泣きそうになっている。
「……影、濃いわね」
「アイツ、影薄そうだぞ?高村みたいに」
「シャラップ!!!萩谷君、ちょいちょい酷いこと言うのね!」
とにかく、この"異様な空気"を何とかしないと胸糞悪いわ。この耳障りな笑い声が気持ち悪い…。
こんな下衆で下品な笑い声ほど醜いものはない。
「おーっとっとっ!玖珂っち、押さないでよ〜!!」
その瞬間、菊花は"井上"に直撃しそうだったボールを抱え込むように転けたのだ。

