魑魅魍魎の菊




「まぁ後は…ちょっと盗賊っぽい妖怪や遺跡からお宝分捕って売りさばくのが一番ですね」




「オイオイオイオイ…。さも当たり前な顔すんなって!明らかに犯罪だろう?!」

「えぇー。私別に罪なんて犯してないよー?」



私の発言に口元を引き攣らせている玖珂さんをスルーしたところで、と…。春菜さんに私の背後で眠っている蛇ちゃんについて聞かれた。



「《沼御前》という大蛇をご存知でしょうか?」

「何だそれ?」

萩谷君が首を傾げるので、玖珂さんの説明が入った。


「《沼御前》とはね、福島県大沼郡金山町の沼沢湖の主と伝えられている大蛇といわれていてね。髪の長さが約6メートルもある若い美女に化けることができるんだ。人を惑わせたり襲ったりし、近隣の村人たちから恐れられたと伝えられているんだけど」

「実際はよく解っていないのも現状よ。どうやって殺されたのか、退治されても後に生きてたとさえ言われている——」


菊花は蛇を撫でながら、ふっと憂いを帯びた瞳をしたのだ。


「…で、この蛇の子とどういう関係が」












「彼女は——その沼御前の娘でございます」










幼気な少女は"人間"を信じようとした。

だが、悲しいことも彼女にとってその"文明"は脅威だった。


静かに開かれる瞳に何を映そうか。悲しみなのか、優しさなのか。


だけど、それでも笑って生きていたいんだ。