「サーシャ」 突然名前を呼ばれ、驚いて振り向くと、そこには桐也……の足らしき柱があった。 目の前に彼の掌が差し出され、乗っかると、彼の目の高さまで持ち上げられる。 なのに桐也は無言で私をじっと見つめてくるだけだ。 『えっと、あの、桐也?』 数拍おいて、彼はこうのたまった。 「可愛い、な」と。 指の先まで真っ赤になる私。 さっき自分で願ったというのに、返す言葉が見つからない。