「正確に言うと『おこと教室』を『おとこ教室』と読み間違えた子がいてな。それが面白いと話題になったらしい」

「『おとこ教室』がある道ということで『男の道』なわけ?」

く、くだらない…。

あたしは膝から崩れ落ちそうになった。

「だから言ったろ、すげーくだらないって」

「そりゃ言ったけど…」

事件とのギャップがあり過ぎて…。

300万の現金強奪事件と小学生のダジャレってどんなコラボだ。

「それによって暗号が成立したんじゃないか」

達郎はつぶやくように言った。

茶化す素振りがまったく無いその口調に、あたしは違和感を感じた。

「どうしたの、達郎?」

あたしの問い掛けをふり払うかのように達郎は歩き出す。

「行こうレミ」

今までとはうって変わって真剣な表情だった。

「この道の先に最後の難題が待ってる」