黙ったままの少年に男は苦笑する。



「おもいっきり怪しんでるね。今はまだ、すべてを語る事ができないけど約束しよう――いずれ話すと」

「また会う理由なんてないけど」

「ふっふ〜それがあるんだよ少年」



男は空を見上げそろそろ頃合いか、と呟いた。



「名を知ってるなら、他の呼び方をするな」

「ごめんごめん、じゃあ氷悠。

城へ赴くなら、お姫様を助けてくれるかい」

「オレには時間がないから。断る」

「氷悠の目的に関係しても?」




氷悠は唇を噛んだ、あまりにもこの男は知りすぎている。