「ここが……蒼空帝国か」 すべてが蒼で彩られたような、世界だと少年は思った。 蒼空帝国へは赴く事など一切なく、生まれ育った故郷を離れる事なんて夢にも思わなかったが。 少年は苦笑する。 それを見ていた男がにこやかに話し掛けて来た。 「やあやあ。君は初めて帝国に来たのかい?」 胡散臭い。 少年が黙ったままでいると、男はそんな事露知らず続けた。