蒼天に浮かぶ螺旋階段はどうやら、世界遺産として登録されているらしい。世界遺産はいくつかあり、中には世間に知られてない物もある。


やっとの思いでたどり着いた城は、翼を広げた巨大なガラスで創られた蒼竜が城の頭上に浮かんでいた。


なんと言うか、圧巻だ。


氷悠が城の中へ入ろうとしたその時、空を飛ぶ馬に乗った金髪の青年が降りて来た――別に翼があるわけではない。


「来客か?君、城への用件はなんだ?」

「資格の更新で来ました」

「資格者か。君は何の資格を?」


なるべくなら答えたくはないが、目の前にいるこの騎士に隠し事をすれば後々面倒な事になると判断し、仕方なく答える。






「空守」