ああ――なんでこんな事になったんだ。



店が立ち並ぶ大通りを歩きながら、氷悠は内心そう思いながらも歩を進める。


普通なら偶然頼まれたと思うだけかもしれないが、そう思うにはやはり不自然で、納得できるものではなかった。


とは言え、あの男はもう何処かへとんずらしていない。


城に出向く用がなければ、わざわざこんな事付き合うつもりなんて毛頭ないが。


城へ続く蒼い空中に浮かぶ螺旋階段を一段一段登っていく。



「創魔が創ったものか……帝国は一体どれだけの資格者を保有してるのか、見当もつかないな」



創魔は、基本建築物を創る。かなりの高い魔力と想像力を求められるため、この資格を持つ者は少ない。