今にして思えば、不思議な遊びだった。
まゆちゃんと遊んだ小さな土手は、たくさんの草木が生えていて、初めはそこに生えていた、オオバコなんかを触ったり、小さな名前の知らない黄色や白の草花を見つけては観察したりして、かわいいなとか、綺麗だなとか感想を述べ合っていた。
しかし、その土手で一番大きな青桐の木の下に古い石柱が埋まっているのをまゆちゃんが発見した時から私たちの遊びが進化した。
その遺跡のような場所は、20センチ四方の石の柱が、4つ50センチくらいの正方形の角に埋まるような形で存在していた。
そしてその囲まれた中心に山のような形の尖った石が埋まっていた。
これを見つけた二人は初め何か解らなかったが、昔何かあったであろう不思議な場所に、まゆちゃんは直感的に独自の解釈をもってこう言った。
「かみさまのばしょだ」
そう言うなり、まゆちゃんは住まいのすぐ近くにある団地に戻って、バケツ一つとスコップ二つを持ってきた。
そして私にスコップの一つを渡すと、まゆちゃんはおもむろにその遺跡の場所の土を掘り出した。
私は何をしているのか解らないまま、初め呆然としていたが、次第につられて一緒に一生懸命掘り出した。