「桃ーー! 起きてる〜?遅れるわよ?」 朝、1階からお母さんに呼ばれる。 「起きてるよ〜♪」 ルンルンと階段を降りる。 「朝からご機嫌だな?」 「たっくん!」 「はよ。」 ゙たっくん゙とは私の6つ上のお兄ちゃん。 真崎建斗。 ここから少し離れた会社で働いてる。 母子家庭のうちでは、 たっくんが母親代わりみたいな感じだった。 すごく頼りになるんだ。 「なんだ? ニヤニヤして。男でもできた?」 たっくんは昔からすごく勘が鋭い。