「よし!今日はこれで終わり!お疲れ歩人!」
龍がそういって心無し早々と自分の鞄を持ち上げた。恐らく頭の中でイメトレしてるんだろう。
「あっ、ちょっ…」
龍になにか言わないと、と思い、呼び止める。
「ん?なんだ?」
龍が顔を向けてくる。
告白しようと気合を入れてる、純粋無垢な顔を。
…無理だ。
また、告白を引き伸ばそうなんていうのは…。
「……いや…」
二の句が告げない俺。
なんだよ気持ち悪ぃな、と笑う龍に、愛想笑いする事しかできない。
「じゃーな!歩人!」
「あ…あぁ…じゃ…」
体育館裏から去っていく龍。
他の部活動も終わったのか、運動場から帰っていく生徒がちらほら見える。
その中でも目立つ赤髪のリーゼント。
「明日は告白!明日は告白!」
遠くで力士のようにバチンバチン自分の頬を叩く龍が見えた。
告白の決意を刻み込むように。

