「この間、さ」

私が切り出すと、西野は自分の足元を見たまま小さく頷いた。

「あの家に、何をしに行ったの?」

「…見てたんだ?」

西野は口の端を少し持ち上げた。

「うん…あそこってさ」

「坂井さんの家だよ」

「…うん」

やっぱり、そうか。