「…小泉くん」

「…何?」

私は携帯を握る手に、ぐっと力を込めた。

「調べよう。坂井奈緒がどうして亡くなったのか」

受話器の向こうの小泉がまた、ニカッと笑った気配がした。

「あぁ。もちろん」

こうして私の15の夏が、始まったのだ。