「…私ね、頑張るよ」 紗枝が、声を張り上げた。 「頑張って、医師になるの。いつか、誰かを救える人間になるために」 「…うん」 「じゃぁ、またね?誕生日、おめでとう」 紗枝との電話を切ると、部屋が静かになった気がした。