西野が向かったのは、住宅地の一軒家だった。

20メートルほど離れた電信柱の陰で、私は彼を盗み見た。

西野は遠目に見ても、なかなかカッコイイ。

短く整った黒髪に、黒ブチメガネ。

私好みの文系男子だ。

と言っても、ほとんど話したことはないけれど。