「西野さ、ちょっと優しくなったね」

レジに向かう途中、私は西野に話しかけた。

「そうか?」

「うん。前からいい奴だったけど、私みたいに勉強できない人間にはちょっと冷たかった気が」

西野は困ったように笑った。

「…後悔しないようにしたいんだ」

小さな声で、彼はつぶやいた。