「もぉー、私にまで他人行儀は止めてよー!」 如何にも不満だと言いたげに、頬を膨らませるのはお袋だ。 「そうですか…」 厳しく躾けられた子供の頃は、想像も出来なかったが。 「んもぉ、やっぱり女の子も産めば良かったわ! 男の子なんてホント、つまんないモノね?」 「いや、今さら無理でしょう・・・」 「まっ、余計なお世話よ」 俺の一言で頬を膨らませたまま、そっぽを向いてしまった。