浅野くんからメールを貰ってから返信に結局3日掛かった。

浅野くんを分析するのに2日、あと一日は返信する本文にかけた。

手紙を書くのは好きだけどメールになるとそっけなくなってしまうと良く友人にいわれるから、余計に考えてしまう。

浅野くんはサブカル君であり、文章は柔らかく解りやすくないと――

でも、好きという感情を簡単に見透かされるのも軽い感じで観られるのも嫌なんで――

とりあえずは以下の返信にまとまった。

浅野くんへ

メールありがとうございます、返信遅れてすいませんm(__)m

最近は寒くなってきてますね、お体は大丈夫ですか?
この間は楽しかったです。色々、趣味の話をしてくれて、意外と似た部分もあって、時間過ぎるの早かったです。

また今度、続き話を聞かせてください、浅野くんと話せるの楽しみにしています
メールお待ちしています。乱文失礼します。

由衣

送信してから、どっと疲れた――何故だろう?

オブラートに包んだ好きという言葉を、また会いたいな、に気付いてもらえると嬉しいけど。

送信してから現代文学の講義を受けていたら、メール着信があり、見たら浅野くんからだった。

由衣ちゃんへ

メールありがとう、返信最高に嬉しいよ

なんか、もう顔見知りなんだから、もっと気軽にメールしない?

文章堅いよ(笑)

由衣ちゃんと趣味がソウル感じたから

会おうよ、飲みながらどう?

いつにする?

あさの

返信して肩の重荷が取れたばかりなのに・・・

私の3日かけたメールは読まれて、返された時間が15分だから、私の一日は彼の5分なんだなぁ――

考えたらどっと疲れが出てくる――

何故だか無性に腹が立つ。やりきれない気持ちがイラついてしまう。

今なら、忠臣蔵の吉良が意地悪をしたい気持ちが解る――

おのれぇ、、浅野――
私の3日をあっさりと――
やるせない気分で、携帯を切り、授業をうけたが、頭に入ってこなかった。

これは恋ではないなぁ――多分、殺意だなぁ――

と考えながら2日立った。