ありがとう【被害妄想彼氏 番外編】


「いいじゃん、何でも!
それよりも真知子は人の事心配してる場合じゃないでしょ!」



そう言うと真知子は私から目線を逸らして口笛を吹いた。



真知子はいまだに彼氏が出来た事が無いらしい。


顔は可愛いと思うんだけど、
何がいけないんだろ?


…口が悪い所かな?



「バイブ鳴ってるよ」



私はハッとして携帯を見た。
いつもの慎二くんからのメールだった。



『明後日な!
前言うてたライブやるらしいねん!
一緒に行かへん?』



前言ってたって…



初めて逢った時?



「デートぉ?」



またニヤニヤして真知子が近づいてくる。



「勝手に見るな!」



それから昼休みが終わるまで、
真知子との追いかけっこが続いた。