「ちょお悪い。
俺タバコ切れたから買ってくるわ」
「慎ちゃんタバコ吸いすぎだよ~」
平山さんがそう言うのを無視し、
慎一さんはタバコを買いに行った。
お鍋の準備は出来ているので、
私と平山さんは慎一さんが帰ってくるのを待っていた。
「ただいま~」
慎一さんより先に、
もう一人の同居人の高田明宏さんが帰ってきた。
もう、慎一さんが出て行ってから、
三十分程経つ。
「あれ~?
慎ちゃん遅いなあ。
自動販売機そんな遠かったっけ?」
「私ちょっと見てきます。」
私はカーディガンを手に取り、
外へ出た。
自動販売機は目と鼻の先で、
すぐ近くにある。
それにもたれかかって
空を見上げている慎一さんの姿があった。


