「はーい、もっこりもこみちぃ?」
今は誰も使わない挨拶。
慎二くんらしい。
「何やぁ?
言っとくけど俺はもう妻も子供もおんねや。
誘いにはのらんで!
君の事が嫌いな訳では無い。
分かってくれ。」
私はまだ一言も喋っていないが、
慎二くんの一人劇は続く。
慎二くんの気が済むのを待っていたら、
一時間も経ってしまっていた。
「で、話って何なん?」
やっと話にありつける……
(長かった…)
「慎一さんの事なんだけど、
慎二くんは慎一さんから恋愛話とか聞いたりするの?」
「う~ん。
俺は別に聞いた事無いなぁ。
俺よりもさぁ
知ってる人おんで。」
え?誰?
私はその人物を
聞いた。
どうやらその人物とは、慎一さんの同居人らしい。


