私はお父様と伊藤(お手伝い)さんを軽くあしらい、
部屋へ戻った。
慎一さんは、
あの女の人が好きだったんだね。
今も?
過去の話?
………気になるなぁ。
♪~♪~♪♪
その時、
私の携帯が鳴った。
相手は真知子ちゃん。
「もしもし?」
『もしもし、チヨちゃん?
あのね……』
「真知子ちゃん!
お願いがあるんだけど!!」
私は真知子ちゃんの言葉を遮って話す。
『な、なに?』
「慎二くんの番号教えてほしいんだけど」
『………え?』
なぜ慎二くんなのか?
真知子ちゃんはそう思ったよね。
でも、
どうしても知りたいんだ。
もしかして弟の慎二くんなら…
私はそう考えた。


