空と太陽【被害妄想彼氏 番外編】



小学校に着くと、校門前に『入学式』という看板が立てられている。




入学式という事で、その看板と一緒に写真を取っている人がたくさんいた。




「空も、空も!」



空はピョンピョン跳ねながら、写真を撮ってとせがむ。




「はいはい、帰りにね。」



由梨と話していた真知子は、淡白に言い返した。



空はほっぺたを膨らまして、
真知子を見つめている。



「空、リボンが曲がったよ」



空が先程跳ねたせいで、襟元のリボンが歪んでしまい、
それを太陽が直してあげる。



「ほら、二人共行くよ!」



真知子はクラス割り表を受付で貰い、
校内へと進んでいく。



「ほら、空。
早く行かないと置いていかれるよ。」




太陽が空を呼ぶと、後ろを歩いていた空は太陽の方に走って行き、
こう言った。





「大丈夫!

お母さん足短いからそんなに進まないよ!」



空はとびきりの笑顔を見せて言った。




「……なんだって?」



「ひっ」



空と太陽は真知子の鬼の様な顔つきに、
お互い指を合わせ、震えながら真知子を見た。