今日は、空と太陽の入学式。
「今日行けなくてごめんね。」
修司は背広を着ながら、空と太陽に謝る。
「いいよ、いいよ。」
太陽はにこやかに首を振る。
「そうそう。
パパが来たって何も役に立たないし。」
空もまた、にこやかに言った。
「ぇ……っ」
修司は空の台詞に脱力し、ネクタイを締めていた手はだらんと下に落ちた。
そんな修司を見て、真知子は無言で修司のネクタイを締めた。
空は、悪気があって言った訳では無い。
寧ろ、修司の事は大好きなパパっ子だ。
「じゃあ、行ってきます…」
修司は三人より先に家を出た。
空に言われた一言が効いたのかフラフラと、
足がおぼつかない感じで歩いて行った。
「空、パパが帰ってきたら謝れよ。」
太陽が空にそう言うと、
「え?なんで?」
と、頭にハテナマークを付けて言った。
「ほら、二人共。
早く着替えないと間に合わないよ。」
真知子に急かされ、
二人は着替え始めた。


