一年生はニ列に並ばされ、体育館の中へと入って行った。
入場と共に拍手が湧き上がるが、
太陽と香奈はずっと話していた。
空はそれが気に入らないらしく、ずっと二人を睨みつけている。
「へぇ、太陽くんって双子なんだ」
香奈は可愛らしく笑って話した。
「うん、空って言うんだ。
後で紹介するね。」
太陽は空の方を見た。
「アイツ、何て顔してんだよ…」
空の顔はかなり殺気だっていた。
「あの子は多分太陽を陥れてブランドもののバッグとかせがむ気ね。
あの悪女めっ!」
小学生とは思えない台詞を呟き、
空は香奈に完全に敵対心を抱いていた。
「なんか、空ちゃんの所から黒いオーラが…」
由梨は少し楽しそうな顔をして真知子に言った。
「…本当だ。
太陽が他の女の子と話してるのが気に入らないみたいね。」
保護者席にも感じる黒いオーラが、体育館中に漂っていた。


