「……慎乃介」
「慎一やゆうとんねん!!」
俺の元気な声にホッしたのか、
S女は少し微笑んだ。
「言っとくけどなぁ!
俺は失恋くらいでへこたれる様な弱っちい男ちゃうねん!」
「まだ、分かんないじゃん」
S女は意味深に言った。
「伝えなよ、
アンタの気持ち」
………………。
「…せやな。」
S女は立ち上がった。
「ったく、世話やける男!」
……ドカッ
と音を立て、S女は後ろから俺の背中を蹴った。
「いったいなぁ!!
お前ホンマしばくぞ!!!」
俺はS女の腕を掴み、
拳は、S女に向かっていた。
S女は目を瞑った。
「……ありがとう…」
俺がそう言うと、
S女はゆっくりと目を開けた。
拳は、おでこ寸前で止められている。
「…え?今何て?」
いや、もう言わへん。
………ビシッ
俺はS女のおでこにデコピンをした。
「………たっ」
S女はおでこを押さえながら、俺の後ろに目線をやった。
「………瞳」
俺の後ろには、ネクラが立っていた。


